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表3.6 一定寸法の場合における鋼、5083−O合金、FRPの重量比の比較

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図3.1は、中速艇について上甲板以下の構成材種を5083合金、5083合金骨木皮、耐候性高張力鋼、軟鋼及びFRPとした場合の船殼重量とLOA・(B+D)の関係を示し、10数年前の資料7)にその後のデータを追加したものである。ここに、L0Aは艇の全長(m)、Bは艇の幅(m)、Dは艇の深さ(m)である。艇の種類、大きさによって船殼重量は異なるが、おおよその目安が得られる。5083合金艇は鋼船のほぼ1/2の重量に近く、FRP艇に対しては艇の全長が15m程度を超えると重量的に有利となってくることが分かる。
図3.2は、昭和末期から平成の初期にかけて各地の造船所で建造された代表的な5083合金漁船の船殼重量と、A・(B’十D’)の関係8)を示し、B'は張出し甲板の幅を含む漁船の幅(m)、D’はブルワーク平均高さを含む漁船の深さ(m)である。図中の実線は、図3.1の5083合金艇(実用船)の値で、比較のために図示した。北海道地区を除く漁船(図中の○印)は5083合金艇より軽量化されているように見えるが、これはB’、D'とB,Dの取り方の相違によるものである。北海道地区の漁船(図中の●印)は重構造であり、速力よりも堅牢性に重点が置かれている。一方、瀬戸内海沿岸におけるFRP漁船を同様に整理した資料9)と比較すると、5083合金漁船のFRP漁船に対する軽量性が認められるのは、高遠艇の場合と同様、全長15m付近からである。
(3)物理的性質からみた注意事項
物理的性質からみて注意すべき点としては、
?@ヤング率が鋼材の1/3

 

 

 

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